お料理教室でボルドーのカヌレをつくりました。ボルドーといえば言わずと知れたワインの銘醸地。赤ワインの熟成中に出る澱(おり=渋み成分)を取り除く作業に、当時は卵白が使われました。ワインの中に卵白を入れると澱を吸いつけて底に沈み、その後、上部の澄んだワインだけを瓶詰する。ボルドーのほとんどのシャトーで行われていたため、大量の卵黄が余った、その活用として考え出されたお菓子です。
カヌレは、18世紀からボルドーの修道院でひっそりと作り続けられていましたが、1985年にカヌレ協会が誕生してから多くの人に知られるようになりました。カヌレを美味しく作るため、型の内側には蜂の巣の成分の蜜ろうを塗るのが伝統です(教室ではバターをぬります!)。フランスの修道院では、ろうそく作りのため、みつばちを集めて蜜ろうを作っていたそうです。修道院とお菓子はそんなところでも接点があるのですね。
外はザクっと香ばしく、ラムやヴァニラの華やかな風味香るもちっとした中身のコントラストがおいしいカヌレの秘訣です。今週、来週のくらすでもおたのしみに。